今日のシンクロニティ「奥の細道」の旅 90 衣着て小貝拾はんいろの月
本日二〇一四年九月二十九日(当年の陰暦では九月六日)
元禄二年八月 十六日
はグレゴリオ暦では
一六八九年九月二十九日
【その二】同じく、いろの浜本隆寺での句。
種(いろ)の濱
衣(ころも)着て小貝拾はんいろの月
[やぶちゃん注:「荊口句帳」。衣は僧衣、西行の面影である。「月」は十六夜(いざよい)の月。前日は雨に祟られて、無念の思い――というより私は慙愧の念と言いたいのだが――をした芭蕉は、このいろの浜で十六夜の名月を賞翫し得たのであった。そうしたある種の魂の爽快感が、これら四句の名吟を生んだとも言えよう。これが「奥の細道」のコーダであったと私は思っている。……因みにかの曾良もまさにこの七日前の八月九日に、この本隆寺に泊まっていたのである。……]
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