この寢ぬる都の空に夜遠くすり鐘きこゆ火事かあるらし 萩原朔太郎
[やぶちゃん注:以下は昭和五三(一九七八)年二月刊の筑摩書房版萩原朔太郎全集第十四巻の「補遺」にある『短歌――岸とめ子送別會』と標題する一首。初出は昭和九(一九三四)年五月号『ごぎやう』(歌人中河幹子(中河与一妻)が創刊した女性文芸誌。後に歌誌「をだまき」となる)。岸とめ子なる人物は女流歌人(国立国会図書館の書誌データ内の『短歌研究』などの目次に名を見出せる)である以外は詳細を知らない。これ以外に、同巻には既刊全集分に追加された短歌はない。]
この寢ぬる都の空に夜遠くすり鐘(がね)きこゆ火事かあるらし
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