――芭蕉枕邊―― 風吹けば尾細うなるや犬櫻
風吹けば尾細うなるや犬櫻
(かぜふけばをぼそうなるやいぬざくら)
――寛文七(一六六七)年――芭蕉二十三歳――
……私はあのたよりなげな可愛い犬桜が、好きで御座います…………
[やぶちゃん注:バラ目バラ科サクラ亜科サクラ属イヌザクラ Prunus buergeriana 。ウィキの「イヌザクラ」によれば、シロザクラの別名をを持ち、幹の高さは十メートルにも達する落葉高木で、『樹皮は暗褐色で光沢があり、皮目が点在する。若い枝は緑色で、しばしば赤褐色を帯び、細毛があり、次年には灰白色になる』。葉は、長さ十~十五ミリメートルほどの『葉柄をもって枝に互生し、形は倒卵形から狭長楕円形または長楕円形になる。葉の先端は鋭尖形で、基部は円形またはくさび形』、『葉の両面はふつう無毛で、ときに両面の中脈に毛が生える場合がある。縁には細く鋭い鋸歯がある』。花期は五月で、『前年枝の下方に試験管ブラシ状の総状花序が数個互生し』、直径五ミリメートルほどの白色の五弁花を多数咲かせ、花序は長さ六~九センチメートルにもなる。『花序枝には葉がつかないのが特徴で、花序枝に葉がつく同属のウワミズザクラと区別することができる』とある。グーグル画像検索「イヌザクラ」。]