――芭蕉最期の枕邊にて―― 植うる事子のごとくせよ兒櫻
植うる事子のごとくせよ兒櫻
(ううることこのごとくせよちござくら)
――寛文年間(一六六一年~一六七三年)――芭蕉二十代の句と推定――
……これはこれは……またしても……お好きな美少年の面影で御座います……少し妬けまする…………
[やぶちゃん注:「兒櫻」は曲亭馬琴著・藍亭青藍増補「俳諧歳時記栞草」に、
兒櫻 山櫻の一種なり。又小櫻のるゐにて別種也と云。按(あんず)るに、山櫻のうちに、紅色を含(ふくみ)て美(うつ)くしく愛(あい)らしき花あり。故に兒櫻の稱(な)ある歟。
とある(以上は岩波文庫版・堀切実校注「増補 俳諧歳時記栞草(上)」に拠ったが、恣意的に正字化した)。]
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