共感覚夢
今日の未明の夢。
「共感覚」とは文字や音に色を感じたり、形に味を感じたりする特殊な感覚現象を言う心理学用語。私にはそれはないが、私の教え子の女性にはいる。彼女は語学部に行ったが、そこでの他言語での経験によれば、当初は日本語で発音で似たものは同じ色をしていたが、そのうちに意味に合わせて色が変化したと言っていた。私はこれ、非常に面白いと思っている。このような音の場合は特に「色聴」と呼ばれ、科学的にも現象として認められており、一部で研究も行われている。
*
僕は漆黒の空間に浮かんでいる――
目の前に、様々な色の光を放つ記号のようなものの文字列(但し、それは立体として知覚されてある)が上下数十本、さまざまに絢爛として綺麗に並んでいる。
[やぶちゃん注:例えば、
〇〇〇〇〇●◎●●◎◎〇〇●●
●●◎◎◎◎●●◎●●●◎●●
な感じの、球かそれぞれの同色のパートが繋がったカプセル状の滑らかなガラスの容器ででも出来たような形をしていて、それぞれ明度や輝度が微妙に異なるものと言えばお分かり戴けるか。]
それが上から「ド」「シ」「ラ」「ソ」「ファ」……と並んでいると僕に実感されている――
僕はおもむろにその「ファ」を抜き取る――
パイプオルガンのような「ファ」の重厚な音が真っ暗な空間に響き渡る――
その「ファ」を僕は掌に載せる――
すると――
それが静かに真っ白な粉雪になって暗黒の彼方へと吹き飛んでゆく……
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