橋本多佳子句集「海彦」 靑馬追
靑馬追
巣が近くをりをり硯舐めに蜂
青馬追こゑとならざる切々(せつせつ)青
[やぶちゃん注:「青馬追」直翅(バッタ)目キリギリス亜目キリギリス科ウマオイ属ハヤシノウマオイ Hexacentrus japonicus 又はハタケノウマオイ Hexacentrus unicolor 。「日本鳴く虫保存会」のこちらのページの音源がその違いを良く認識出来る。この聴き比べでは、多佳子の聴いたのは「こゑとならざる」「切々」からハタケノウマオイか。]
白露や目覚めてブンと虻がくる
いなづまをふみふむ帰路の折曲る
燈が消えて暁(あけ)の蛾行方失へり
(三十年)
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