尾形龜之助「夜の花をもつ少女と私」 心朽窩主人・矢口七十七中文訳
夜の花をもつ少女と私 尾形龜之助
眠い ――
夜の花の香りに私はすつかり疲れてしまつた
××
これから夢です
もうとうに舞臺も出來てゐる
役者もそろつてゐる
あとはベルさえなれば直ぐにも初まるのです
べルをならすのは誰れです
××
夜の花をもつ少女の登場で
私は山高をかるくかぶつて相手役です
少女は靜かに私に步み寄ります
そして
そつと私の肩に手をかける少女と共に
私は眠り ―― かけるのです
そして次第に夜の花の數がましてくる
[注:「ベルさえ」の「さえ」はママ。]
捧举夜花的少女和我
困 ――
由于夜花的芳香我已过于疲倦
××
现在开始一场梦
舞台早已经准备好了
演员们也都到了
只要上演的铃响就能开始演出了
按铃的是谁呢
××
捧举夜花的少女出场
我轻轻戴上常礼帽当配角
她向我慢慢地走近来
于是
与悄悄地搭手在我肩上的她
我就要 ―― 睡着了
不久 夜花会渐渐地 增加起来
*
矢口七十七/摄
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