――芭蕉最期の枕邊にて―― 雲とへだつ友かや雁の生き別れ
かくて蟬吟早世の後、寛文十二子(ね)の
春〔二十九才。〕仕官を辭して甚七ト改メ、
東武に赴く時、友だちの許(もと)へ留別
雲とへだつ友かや雁の生き別れ
(くもとへだつともかやかりのいきわかれ)
――寛文一二(一六七二)年――芭蕉二十八歳――
……芭蕉さまの孤愁の真骨頂……出郷の二十八にして、最早、よう、現われておられますなぁ……
[やぶちゃん注:前書は岩波文庫中村俊定校注「芭蕉俳句集」を参考にした。]
« ――芭蕉最期の枕邊にて―― 女夫鹿や毛に毛が揃うて毛むつかし | トップページ | ――芭蕉最期の枕邊にて―― 美しきその姫瓜や后ざね »