橋本多佳子句集「海彦」 菊作者 Ⅱ 忌日に 二句
忌日に 二句
吾なしに夫(つま)ゐる曼珠沙華を流す
毛糸編むや夫のこゑ幼かしり子のこゑ
[やぶちゃん注:昭和二十七(一九五二)年夫豊次郎の祥月命日九月三十日の吟であろう。豊次郎は昭和十二年逝去であるから十六回忌に当たる。豊次郎は享年五十で当時の多佳子は満三十七であったが、この年多佳子は既に満で五十三となっていた。一句目は墓前での感懐であろうか。]
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