『風俗畫報』臨時増刊「鎌倉江の島名所圖會」 座禪窟
●座禪窟
瑞泉寺惣門の内右方にあり。開山夢窓國師の座禪せし所とも云ふ。古傳に葆光窟の號ありて。當寺十境致の一なりと云へり。
[やぶちゃん注:因みにこの前に、古図面と発掘調査の結果に基づいて昭和四五(一九七〇)年に復元されてある夢窓疎石作と伝えられる国指定の石庭は、嘉曆三(一三二八)年頃から南北朝期に作庭されたものと考えられるが(但し、「鎌倉市史 社寺編」は夢窓の作庭であるという確証はないとする。私は個人的には、創建当初の地割に従って復元されたという現在の禅宗様式の庭には、何ら魅力を感じていない)、早い時期に土砂に埋没していた。この座禅窟、別名葆光窟(ほこうくつ。「葆」は「保」に同じい。なお、見学出来る庭園の池の背後にある窟は天女洞と言い、これとは別物である)はその復元された庭園の右手奥、開山塔の背後の錦屏山中腹の岩盤を穿ったもので、現在は非公開である。]
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