今日の芭蕉シンクロニティ ともかくもならでや雪のかれお花
本日二2014年12月18日(当年の陰暦では10月27日)
元禄4年10月29日
はグレゴリオ暦では
1691年12月18日
である。
この日、芭蕉は「奥の細道」の旅に出て以来(元禄2(1689)年3月20日旅立)、実に凡そ三年振りに江戸に戻った。湖南よりの帰東ため義仲寺を発ったのは元禄4年9月28日で東海道を三十二日かけている。
芭蕉庵は人に譲っていたため、日本橋橘町にある借家へ入って仮寓とした。翌元禄5(1692)年4月初旬より杉風と枳風(きふう)の出資で曾良と岱水(たいすい)の設計になる芭蕉庵再建工事が開始され、翌5月中旬、(第三次)芭蕉庵が完成して移り、二年後の元禄7(1694)年5月11日に帰郷の旅に出るまでの丸二年をここで過ごしている。
則ち、この日が芭蕉最後の江戸帰還となったのであった。芭蕉満四十七歳であった。
よの中定(さだめ)がたくて、此(この)
むとせ七とせがほどは旅寢がちに侍れ共、
多病くるしむにたえ、年比(ごろ)ちな
み置ける旧友門人の情忘れがたきまゝに、
重(かさね)てむさし野にかへりし
比(ころ)、ひとびと日々草扉(さうひ)
を音づれ侍るにこたへたる一句
ともかくもならでや雪のかれお花
[やぶちゃん注:「雪の尾花」(遊五編・延享元(1744)年刊)。表記は総てママ。]