やぶちゃん版芥川龍之介詩集を既にダウンロードされた方へ
一部の衍字と新しい発見がありました。既にPDF版をダウンロードされた方は、済みませんが今一度、新しいものをダウンロードして下さい(アドレスは同じです)。
「やぶちゃん版芥川龍之介詩集」
私のソフトはしょぼくて文字編集が出来ませんので、注釈で対応していますが、特に以下の「雁皮」は「ガンピ」ではなく「岩菲」という発見(太字の【追記】部分)は非常に大きなものですので、よろしくお願い致します。HTML版「やぶちゃん版芥川龍之介詩集」は既に直しました。【同日夜21:12追記】現在、「澄江堂遺珠」を電子化中なのですが、またしても同詩集にミスを発見、一段落ついたら改めて改稿する予定です。取り敢えず見つけ次第、注釈で逐次訂正(文字編集が出来ないために改稿すると総てのリンクを造り直さねばならないのです)。孤独な作業なので御寛恕あれ。
*
「やぶちゃん版芥川龍之介詩集」
私のソフトはしょぼくて文字編集が出来ませんので、注釈で対応していますが、特に以下の「雁皮」は「ガンピ」ではなく「岩菲」という発見(太字の【追記】部分)は非常に大きなものですので、よろしくお願い致します。HTML版「やぶちゃん版芥川龍之介詩集」は既に直しました。【同日夜21:12追記】現在、「澄江堂遺珠」を電子化中なのですが、またしても同詩集にミスを発見、一段落ついたら改めて改稿する予定です。取り敢えず見つけ次第、注釈で逐次訂正(文字編集が出来ないために改稿すると総てのリンクを造り直さねばならないのです)。孤独な作業なので御寛恕あれ。
*
戲れに⑵[やぶちゃん注:「戲にれに」と私が衍字してしまいました。]
汝と住むべくは下町の
晝は寂しき露路の奥
古簾垂れたる窓の上に
鉢の雁皮も花さかむ
[やぶちゃん注:底本後記によると、「心境」から、この詩までは元版全集の「月報」第八号の「編輯者のノオト」に『「心境」以下の今樣風の詩は全部、一つの帳面に清書されてあったものである。それらは大正十年頃のやうに思はれる。』とある、とする。「雁皮」はフトモモ目ジンチョウゲ科ガンピDiplomorpha sikokiana 。古く奈良時代から紙の原材料とされてきた。初夏に枝の端に黄色の小花を頭状花序に七から二十、密生させる。グーグル画像検索「雁皮の花」。【2014年12月16日追記】この注、実は昨日、『あの地味な花「雁皮」のを鉢植えにするというのは、如何にも変わった趣味だなあ』と内心思いつつ、書いていた。それが今日、芥川龍之介遺著・佐藤春夫纂輯「澄江堂遺珠」の最後に附されてある、同書の校正者で「校正の神様」の異名をとる神代種亮(こうじろたねすけ)の「卷尾に」という文章の中に、この詩(この詩は「澄江堂遺珠」に採られている)の「雁皮」について、これ『は事實から看て明かに「眼皮」の誤書である。雁皮は製紙の原料とする灌木で、鉢植ゑとして花を賞することは殆ど罕な植物である。眼皮は多年生草本で、達磨大師が九年面壁の際に睡魔の侵すことを憂へて自ら上下の目葢を剪つて地に棄てたのが花に化したのだと傳へられてゐる。花瓣は肉赤色で細長い。』と記しているのを見つけて(「罕な」は「まれな」と読み、「稀」と同義。「目葢」は「まぶた」)、目から鱗が落ちたのだった! これはジンチョウゲ科のガンピではなく、中国原産で花卉観賞用に栽培されるナデシコ目ナデシコ科の多年草である別なガンピ(岩菲(がんぴ)) Lychnis coronata であったのである! 茎は数本叢生して高さは40~90センチメートル、卵状楕円形の葉を対生させ、初夏に上部の葉腋に五弁花を開くが、花の色は黄赤色や白色といった変化に富む。グーグル画像検索「Lychnis coronata」でその鮮やかな花を見られたい。これは確かに神代の言う通り、「雁皮」ではなく「岩菲」に違いない!]
« 尾形龜之助「大キナ戰 (1 蠅と角笛)」 心朽窩主人・矢口七十七中文訳 ――二人の怒りとともに―― | トップページ | 芥川龍之介遺著佐藤春夫纂輯「澄江堂遺珠」をタイピング中 »