白い路
尾形龜之助
(或る久しく病める女のために私はうつむきに歩いてゐる)
両側を埃だらけの雜草に挾まれて
むくむくと白い頭をさびしさうにあげて
原つぱの中に潛ぐるやうになくなつてゐる路
今 お前のものとして殘つてゐるのは
よほど永く病んだ女が
遠くの方で窓から首を出してゐる
一条白色的路
作 尾形龟之助
译 心朽窝主人,矢口七十七
(因为一个久病不愈的女人 我低着头走路)
夹在满是尘埃的两旁杂草
白色尽头 凄凉地 滚滚抬起
好像钻进草原里而消失的一条路
现在 剩下来的 属于你的 只有 ……
长久以来患病不愈的女人
在遥远的那地方从窗户伸出脑袋 ……
*
矢口七十七/摄
« 只今 |
トップページ
| やぶちゃん版芥川龍之介詩集(HTML版) リニューアル! »