橋本多佳子句集「命終」 昭和三十一年 五句
*
石よりも地よりも生ける蝸牛冷ゆ
冬立ちて十日猫背の鵙雀
暗黒に水らぎらして廃れ簗
絶対安静見えざる虹をたしかに懸け
絶対安静眦(まなじり)に鵙の天
[やぶちゃん注:この昭和三一(一九五六)年の十一月の条には『心臓発作続く』とあるから、これはこの年のそれ以前の作と考えておく。次に十月に行った鵜飼の句群が載る関係上の推測であるが、必ずしも時系列で並べられていると考える必要も勿論、ない。]
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石よりも地よりも生ける蝸牛冷ゆ
冬立ちて十日猫背の鵙雀
暗黒に水らぎらして廃れ簗
絶対安静見えざる虹をたしかに懸け
絶対安静眦(まなじり)に鵙の天
[やぶちゃん注:この昭和三一(一九五六)年の十一月の条には『心臓発作続く』とあるから、これはこの年のそれ以前の作と考えておく。次に十月に行った鵜飼の句群が載る関係上の推測であるが、必ずしも時系列で並べられていると考える必要も勿論、ない。]