譚海 卷之一 營中女房猫子を狆にやしなはせし事
營中女房猫子を狆にやしなはせし事
○營中の女房、鷄の卵を試(こころみ)に懷中にあたゝめ、片時も肌をはなたず持(もち)けるが、廿一日めに雛にかへりたりとぞ。また有(ある)家にて猫子をうみて後母猫死したれば、育てべきやうなく、狆(ちん)に預(あづけ)て乳をのませ養わせけるに、はじめは嫌(きらひ)て近付(ちかづか)ざりけるが、後には馴(なれ)て乳をあたへけり其子猫生長しけれど高き所へ飛上(とびあが)る事かなはず、狆の性(しやう)をあやかりけるにやとぞ。
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