彼の居ない部屋
尾形龜之助
部屋には洋服がかかつてゐた
右肩をさげて
ぼたんをはづして
壁によりかかつてゐた
それは
行列の中の一人のやうなさびしさがあつた
そして
壁の中にとけこんでゆきさうな不安が隱れてゐた
私は いつも
彼のかけてゐる椅子に坐つておばけにとりまかれた
他不在的这房间里
作 尾形龟之助
译 心朽窝主人,矢口七十七
房间里挂着一件衣服
右肩低一些
解开着纽扣
依靠墙壁上
这边儿有
队列当中的孤独那样的凄凉
背后还有
好像要埋没在墙壁里似的一种不安
我 每次到这儿来
坐他经常坐的椅子上而一定被围绕很多妖怪的……
*
矢口七十七/摄
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