苦き時 村山槐多
苦(にが)き時
苦き時櫻實(サクランボ)に
赤き血滴たれり
美しき空のうちに
泣聲あり
われはひとり歩みたり
新羅の孔雀の如き
美少年も遊べり
薄紫にわがそばをゆき
若き櫻實に
汚れたる愁ひあり
美しき空のうちに
泣聲あり
われは
ひとり立ちたり
毒多くの寶玉を
この眞晝に光らしたり
泣き濃厚に過ぎたる五月を
« 濃き天 村山槐多 | トップページ | 氷の涯 夢野久作 (4) »
苦(にが)き時
苦き時櫻實(サクランボ)に
赤き血滴たれり
美しき空のうちに
泣聲あり
われはひとり歩みたり
新羅の孔雀の如き
美少年も遊べり
薄紫にわがそばをゆき
若き櫻實に
汚れたる愁ひあり
美しき空のうちに
泣聲あり
われは
ひとり立ちたり
毒多くの寶玉を
この眞晝に光らしたり
泣き濃厚に過ぎたる五月を