樂しき夕ぐれ 村山槐多
樂しき夕ぐれ
樂しやこの夕ぐれの空は黄水晶
靑き孔雀石光りきらめきて
調ぶる琴は六段なり
かの人の言葉づかひをふと思ひ出づ
尺八のなつかしき合奏
きくわれの心は金銀の光とともに浮き立ちて
ぞろぞろとめぐりあるけり
夕ぐれの春の虛空を
樂しやな炎の色のうぐひすが泣く
五カラツトの空の領地に
六段はひびきて絶えず
哀歡わが心に消え滴たるなり
[やぶちゃん注:「滴たる」はママ。]
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樂しき夕ぐれ
樂しやこの夕ぐれの空は黄水晶
靑き孔雀石光りきらめきて
調ぶる琴は六段なり
かの人の言葉づかひをふと思ひ出づ
尺八のなつかしき合奏
きくわれの心は金銀の光とともに浮き立ちて
ぞろぞろとめぐりあるけり
夕ぐれの春の虛空を
樂しやな炎の色のうぐひすが泣く
五カラツトの空の領地に
六段はひびきて絶えず
哀歡わが心に消え滴たるなり
[やぶちゃん注:「滴たる」はママ。]