茶番神樂 夢野久作 (唄)
[やぶちゃん注:以下は西原和海編「夢野久作著作集 6」の「獵奇歌」の大パートの定本「獵奇歌」後に配されてある歌謡である。
同氏の解題によれば、昭和九(一九三四)年十月一日発行の『九州文化』第一巻第三号に掲載されたものである(署名は夢野久作)。西原氏の解題には以上の書誌情報以外は載せられていない。九州・山口・沖縄エリアの近代文学文化資料データベース作成のためのワーキング・プロジェクト・サイト「スカラベの会」の『「九州文化」 総目次』によれば、同誌は福岡市中島町九金文堂内の九州文化社より、
昭和九(一九三四)年八月から昭和一一(一九三六)年九月にかけて全十八冊が発行された同人雑誌で、本号の発行人は渋谷喜太郎(次の「世界の三聖」も同じ名義)。
なお、底本では下段部分は二行に亙る場合、二段目の頭の位置から一字下げとなっている。]
茶番神樂
茶番神樂の悲しさよ おかめにヒヨットコ天狗の面
尼振り手振り頭振り 踊つてまはるおかしさよ
スツテン テレツク テレツクツ
愛嬬タップリお龜さん 鼻毛を伸ばしたヒヨツトコさん
テンテレツク天狗の面 高慢面のおかしさよ
スツテン テレツク テレツクツ
茶番神樂のおかしさよ 色氣も喰氣も高慢も
みんな此世の馬鹿囃子 昔からある馬鹿囃子
スツテン テレツク テレツクツ
今年もおんなじ馬鹿囃子 お龜にヒヨツトコヒユードンチヤン
笑つて見て居る悲しさよ テンテレツク天狗の面
スツテン テレツク テレツクツ