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2015/07/26

『風俗畫報』臨時増刊「鎌倉江の島名所圖會」 足利尊氏墓

    ●足利尊氏墓

足利尊氏の墓は。長壽寺の境内(けいない)。西の方杉林(すぎばやし)の中。山麓の土窟内に在り。逆賊の墳墓爭てか永く全きを得む。今は人の倒す所と爲り。五輪の石塔離折して四方に散在す。何人か此に來りて憤慨せさる者あらむ。宜(むべ)なるかな。その此(こゝ)に及へること。此の寺の南を尊氏屋敷といふ。大倉幷に巽荒神(たつみくわうじん)の東にもあり。三所共に尊氏の舊宅在るべし。

[やぶちゃん注:以下、何故か全体が一字下げ。]

尊氏の法號を長壽寺殿妙義仁山大居士と號す。石塔には刻字なし。

[やぶちゃん注:私もずっと昔に参ったことがあるが、恐らく鎌倉になる知られた歴史上の人物の墓としては最も無惨な見るに堪えない寄せ集めである(私は実際、見るなり、「これは酷い!」お思わず口に出して叫んだことを記憶している)。「相模国風土記稿」に載る「尊氏廟塔」とする図では、高さ八尺(二メートル四十二センチメートル)の宝篋印塔で塔身部分(中央の通常は梵字や戒名などが彫られる部分)が通常のように方形でない蜜柑型の楕円をなした見た目可愛らしい感じ(が私にはする)のものであるが、現在のそれは似ても似つかぬ残骸と無関係なものの寄せ集めである(グーグル画像検索「足利尊氏の墓 長寿寺」を見よ)。戦前は尊氏は逆賊とされ、尊氏絡みのものを所有する寺院は文字通り、愛国少年らから石を投げつけられた(梁牌銘に尊氏のそれを持つ覚園寺の先の住職大森順雄氏から二十歳の頃に直接お聴きした話)。この『風俗畫報』の「逆賊の墳墓爭てか永く全きを得む。今は人の倒す所と爲り。五輪の石塔離折して四方に散在す。何人か此に來りて憤慨せさる者あらむ。宜なるかな。その此に及へること」という叙述も、如何にもな田舎芝居がかっていて、突如、義憤に襲われた振りをし、尊王の志士みたような台詞を、倒置法まで利かせて吐いており、如何にも気持ちが悪く異様で、本誌中でもイヤな感じの特異点と言える。]

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