雨と肌 村山槐多
雨と肌
ふる雨に打たれて
薄ばらの水に浴びる
顫へつつまた微笑して
冷々と兩肌を撫づる
冷めたき冷めたき三月の
薄ばらの水と雨
なつかしき君の瞳の
薄明りの中にわれこそ睨め
けふのみはわが肌は
なめらかなる大理石なり
かなしみもいかりもけふは
香水の如く蒸發するなり
雨はふるわが肌に
絶えまなくちらちらとして
薄ばらの水と雨に
耐へがたき心よさもて
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雨と肌
ふる雨に打たれて
薄ばらの水に浴びる
顫へつつまた微笑して
冷々と兩肌を撫づる
冷めたき冷めたき三月の
薄ばらの水と雨
なつかしき君の瞳の
薄明りの中にわれこそ睨め
けふのみはわが肌は
なめらかなる大理石なり
かなしみもいかりもけふは
香水の如く蒸發するなり
雨はふるわが肌に
絶えまなくちらちらとして
薄ばらの水と雨に
耐へがたき心よさもて