外傷性右前頭葉クモ膜下出血より生還――無事帰宅
8月8日の東京湾大花火に妻の付添いで出かけ、屋形船のデッキ上で僕自身が転倒(ご想像に違わず酔っておりました)、後頭部を強打、そのまま聖路加(ルカ)国際病院に救急搬送されてCTを撮ったところ、作用反作用の法則に拠り、脳に加えられた圧力が右前頭葉に達して、右前頭葉のクモ膜下出血を引き起こしておりました。出血は前脳脳梁の部分まで起こっていたものの、拡大が見られないので、手術はせず、三日ほど安静を保ち、リハビリを経て、取り敢えず日常生活に支障はないとのことで本日只今自宅に帰宅りました。
何人かの方は父のフェイスブックを通じて知られたようですが、御心配をおかけし誠に恐縮です。
本日、三度目のCT画像を見ましたが左眉間の少し上辺りの嗅覚を司る脳がかなり挫滅していることが判明しており(全CT画像は複写してゲット。何時かお見せしましょう)、嗅覚は現在のところ、ほぼ完全に喪失しました。
脳の挫滅の範囲と予後によっては、将来的には右顔面の痙攣、右手の痙攣発作や最悪、瞬間的な意識喪失による昏倒を生ずるリスクがあるとも言わわました。最初の診断の際、医師は妻には怒りっぽくなるなどの人格の変容が起こりこともあり得ると言ったそうです(因みに妻は何時も怒りっぽい人ですからとやり返したそうですから、恐らく諸君も僕に病的性格変容が起こって来たとしても感じられないとも思われますので安心して飲みに誘って下さい)。
僕自身としては、確かに食事が以前のようには美味しさが感じられないこと(嗅覚は味覚の半分以上を支配しているという実感をひしひしと感じました)は、昔から匂いは人一倍敏感であった自分が、自分の体臭をさえ感じられなくなっているのはちょっとショボンという気にも一瞬なりましたが、身から出た錆なればこそ、それほど落ち込んではおりませんので御安心あれ。今の時点で面倒なのは一日に服用する薬の量が二十錠以上でこれをかなり長く続けなくてはならないのがめんどっちいです。
追記:面白いのは消毒用アルコールの臭いと辛味成分の臭いというのは、上記の通常嗅覚の受容体とは異なるとのことで、実際にアルコールの刺激臭やニンニクの辛味だけ(臭いは全くしない)は感じられます。酒好き大辛好きの僕に神が残して呉れた僅かな御目溢しの賜物と言うべきか、こんな形で尊敬する医師日野原重明先生の病院にお世話になったこと、僕が母テレジア聖子が亡くなる直前に、僕が僕自身に勝手につけた洗礼名が「ルカ」(聖ルカではなくて「どん底」のルカ)だったこと――それからそういえば、昔、こんな狂歌を創ったことを思い出したりしました……
不在非在 忸怩鬱勃 再臨界
巡禮路加(ルカ)の鈴の音ぞする
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