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2015/09/27

わかれる晝に   立原道造

    わかれる晝に

 

ゆさぶれ 靑い梢を

もぎとれ 靑い木の實を

ひとよ 晝はとほく澄みわたるので

私のかへつて行く故里が どこかにとほくあるやうだ

 

何もみな うつとりと今は親切にしてくれる

追憶よりも淡く すこしもちがはない靜かさで

單調な 浮雲と風のもつれあひも

きのふの私のうたつてゐたままに

 

弱い心を 投げあげろ

嚙みすてた靑くさい核(たね)を放るやうに

ゆさぶれ ゆさぶれ

 

ひとよ

いろいろなものがやさしく見いるので

唇を嚙んで 私は憤ることが出來ないやうだ

 

 

[やぶちゃん注:底本は国立国会図書館近代デジタルライブラリーの昭和二二(一九四七)年角川書店刊立原道造「詩集 優しき歌」の画像を視認した。生前刊行の楽譜様の処女詩集「萱草に寄す」の冒頭の「SONATINE No.1」群の四篇目に配された一篇。中公文庫「日本の詩歌」第二十四巻脚注によれば、本篇の初出は実は続く同パート五篇目ののおとともに昭和一一(一九二六)年十一月号の『四季』であった。]

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