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2015/09/15

草に寢て‥‥   立原道造

    草に寢て‥‥
            
 六月の或る日曜日に

 

それは 花にへりどられた 高原の

林のなかの草地であつた 小鳥らの

たのしい唄をくりかへす 美しい聲が

まどろんだ耳のそばに きこえてゐた

 

私たちは 山のあちらに

靑く 光つてゐる空を

淡く ながれてゆく雲を

ながめてゐた 言葉すくなく

 

――しあはせは どこにある?

山のあちらの あの靑い空に そして

その下の ちひさな 見知らない村に

 

私たちの 心は あたたかだつた

山は 優しく 陽にてらされてゐた

希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた

 

 

[やぶちゃん注:底本は国立国会図書館近代デジタルライブラリーの昭和二二(一九四七)年角川書店刊立原道造「詩集 優しき歌」の画像を視認した。底本の第二部、堀辰雄らが抄出した初期詩篇二十七篇に所収する。私が最も偏愛する道造の詩である。以前に述べたが、この一、三連は過去形で、途中は総て、当時のフラッシュ・バックだ。……実際に同じ景観の中に彼は佇んでいる。……しかし、彼は今、ただ独りそこに立ち竦んでいる。……これは哀しい傷心の唄なのであった。……

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