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2015/10/01

橋本多佳子句集「命終」 昭和三十七年(3) 三鬼氏を悼む

 

 三鬼氏を悼む

 

桜の下喪の髪にビンいくつも插し

 

花万朶しづもるや喪の重き如

 

桜寒む生死の境くつきりと

 

桜見てひとり酌む酒手向け酒

 

げんげ畑そこにも三鬼呼べば来る

 

花万朶皮膚のごとくに喪服着て

 

[やぶちゃん注:この句、私は強く惹かれる。]

 

眼にあまる万朶の桜生き残る

 

喪服着て花の間いそぐ生き残り

 

桜寒む熱き白湯飲み生一途

 

日をつつむ西方桜死は遠し

 

[やぶちゃん注:「三鬼」多佳子が終生兄事し続けた西東三鬼(彼女より一つ年下)は昭和三七(一九六二)年四月一日、胃癌のため満六十二で永眠した。この追悼句群はその死への苛立つような同調性の「黒」と、それに応ずる眼前の桜花の生々しい「生」の色彩が恐ろしいまでにエッジを鋭くしており、映像化してみたい欲求に駆られる優れた句ばかりである。私の偏愛する西東三鬼の私のオリジナル句集はにある。未見の方は、是非、どうぞ。]

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