橋本多佳子 生前句集及び遺稿句集「命終」未収録作品(15) 昭和十五(一九四〇)年 二句
昭和十五(一九四〇)年
冬木の靑吾等の塋城標めて立つ
[やぶちゃん注:「塋城」「えいじやう(えいじょう)」は、奥津城、墓地のこと。先に引用したが、底本の堀内薫氏の年譜に、この三年前の昭和十二年九月三十日に亡くなった夫『豊次郎は生前に墓を作り、自分と多佳子との戒名を刻み、年月日を入れればよいようにしておいた』とある。まさに正しく「吾等」なのである。]
熱き雲面驅けり過ぎ臺風來
[やぶちゃん注:以上、『馬醉木』掲載分。多佳子、四十一歳。]
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