橋本多佳子 生前句集及び遺稿句集「命終」未収録作品(1) 大正一五(一九二六)年 一句
[やぶちゃん注:以下、生前の句集及び遺稿句集「命終」に採られなかった未収録作品を底本である「橋本多佳子全集 第一巻」(一九八九年立風書房刊)の「補遺(句集未収録作品)」(『自・大正十五年』『至・昭和三十八年』というクレジットが附されてある)から電子化するが、私のポリシーに従い、昭和二〇(一九二五)年までの句は総て恣意的に正字化した。底本では出典元が句群の最初にゴシックで下方に示されてあるが、このデータは私の注の形で後ろに回した。]
大正一五(一九二六)年
櫨紅葉芋洗ふ手に流れ寄り
[やぶちゃん注:俳誌『天の川』掲載分。「櫨紅葉」は「はぜもみぢ(はぜもみじ)」と読む。秋に美しく紅葉するハムクロジ目ウルシ科ウルシ属ハゼノキ Toxicodendron succedaneum の紅葉を指す、確信犯的季語を目指して造られたと思しい季語である。多佳子満二十七。句作開始から四年目の一句である。]
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