日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第二十六章 鷹狩その他 (16) 地震と凧揚げ
昨日の朝四時頃、私は突発的で激しい地震に、目をさまさせられた。私の床は地上二フィートの所にあるのだが、而もこの衝動は、棚の陶器を大きにガラガラいわせた程激しかった。まったく、これでは家が潰れるに違いないと思う位であったが、私がはっきり周囲の状況に気がついた時にほ、すでに地震はやんでいた。ドクタア・ビゲロウは旅館の二階にいるが、きっと家が崩潰すると思ったそうである。
[やぶちゃん注:この地震は諸データでは確認出来ないので、大きな被災はなかったものと思われる。
「二フィート」六十一センチメートル弱。]
一月十八日。まだ疾風はやまぬが、大人や子供は紙鳶をあげている。私は二人の男が、六フィート角以上の紙鳶につけた繩に、しがみついているのを見た。紙鳶は確かに我々のよりも強い。さもなくばこんな風で平気でいる訳が無い。日本人は我々以上に紙鳶あげをするので、大人も沢山あげている。
[やぶちゃん注:「六フィート角」訳一・八メートル四方。]
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