日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第二十六章 鷹狩その他 (31) 簪
図―769[やぶちゃん注:上部。]
図―770[やぶちゃん注:中央。]
図―771[やぶちゃん注:下部。]
外国人の目をひく事象の一つに、婦人、ことに小さな女の子達の髷がある。頭髪は殆ど例外無しに、普通幅の広い結びか、或は他の形で、頭の後に形式的に結髪される。この結びと頭との交叉点に、赤い縮緬が結びつけられ、ここに装飾的な頭髪針がさし込まれる。それ等はカンザシと呼ばれ、この品で人は、布、金紙、こまかい螺旋、藁、ギラギラ物、赤い珊瑚といったような簡単極る材料で、非常に多種なものがつくられる巧な方法を見出す。意匠の半分迄は花である。私は自然の花を頭にさしたり、身につけたりしたのは、見たことが無いと思う。簪の多くはある種の物語か行為かをあらわしている。懸物に絵をかいている子供(図769)、鳥籠(図770)、竹と小鳥(図771)等がそれである。中にはこみ入ったのもあるが、値段は安く一セントか二セント位である。何等かの贈物を持たずに人を訪問することは、殆ど無いといってよいが、これ等の簪は、よくこの目的に使用される。
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