和漢三才圖會卷第五十二 蟲部 蜜蠟
蜜蠟
本綱取蜜後煉過濾入水中候凝取之有黃蠟有白蠟與
今時所用蟲造蠟不同
△按華之蜜蠟形方如雙六局而黃色不鮮明一箇約五
十斤許倭之蜜蠟形圓如鍋而正黃色用倭爲佳
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みつろふ
蜜蠟
「本綱」、蜜を取〔(つて)〕後、煉〔り〕、過濾〔(かろ)〕〔し〕、水中に入れ、凝〔るを〕候〔(うかが)〕い、之を取る。黃蠟、有り。白蠟、有り。今時、用ふる所の蟲造〔(ちゆうざう)〕の蠟と〔は〕同じからず。
△按ずるに、華の蜜蠟は、形、方にして雙六(すご〔ろく〕ばん)のごとくにして、黃色、鮮明ならず。一箇約五十斤許り。倭の蜜蠟は、形、圓く、鍋のごとくして正黃色なり。倭を用ひて佳と爲〔(す)〕。
[やぶちゃん注:図に「漢」「倭」のキャプションが入るのは極めて珍しい。ウィキの「蜜蝋」によれば、『ミツロウ(蜜蝋、Beeswax、Cera alba)はミツバチ(働きバチ)の巣を構成する蝋を精製したものをいう』。『蝋は働きバチの蝋分泌腺から分泌され、当初は透明であるが、巣を構成し、巣が使用されるにつれ花粉、プロポリス、幼虫の繭、さらには排泄物などが付着していく』。『養蜂においてミツロウ以外のものを基礎として巣を構築させた場合、それらがミツロウに混入する可能性もある』。『精製の方法には太陽熱を利用する陽熱法と、加熱圧搾法とがあり、効率の点では加熱圧搾法のほうが優れている』とあり、『色は、ミツバチが持ち運んだ花粉の色素の影響を受け、鮮黄色ないし黄土色をして』おり、『最大の用途はクリームや口紅などの原料』であるとある。私の家にも停電用、いざとなれば非常食にもなるということで置いてある。
「過濾」濾過。
「五十斤」三十キログラム。かなり巨大で重い。しかし、ちょっとデカ過ぎないか?]


