ためいきの壺 原 民喜
ためいきの壺 原 民喜
小さな肉體(からだ)をことりと草になげて
靑い大きな空を仰いで
無限に續く人生を
淋しい自己を
見つめると
ためいきが空に消えて行く……
靑空はためいきの壺。
[やぶちゃん注:大正一二(一九二三)年五月発行の『少年詩人』創刊号に所収。同雑誌は広島で発行されていた謄写版刷同人雑誌で、底本(後述)の年譜には、同人は熊平武二・末田信夫(長新太の当時のペン・ネームと思われる)・銭村五郎他で、年譜の記載では本同人への参加は大正十三年初頭とするが、実際に多くの詩篇がこの前年十一月までの複数号の同誌に掲載されており(後述底本には本詩を含めて十三篇と詩評一篇が載る)、この年譜の記載は信じ難い。
底本は一九七八年青土社刊「原民喜全集 Ⅰ」の拾遺集を用いたが、戦前の創作なので、恣意的に漢字を正字化した。]

