芥川龍之介「侏儒の言葉」(やぶちゃん合成完全版 附やぶちゃん注釈) 彼等
彼等
わたしは實は彼等夫婦の戀愛もなしに相抱いて暮らしてゐることに驚嘆してゐた。が、彼等はどう云ふ訣か、戀人同志の相抱いて死んでしまつたことに驚嘆してゐる。
[やぶちゃん注:大正一四(一九二五)年八月号『文藝春秋』巻頭に、前の「小説」「文章」(二章)「女の顏」「世間智」(二章)「恒産」と、後の「彼等」「作家所生の言葉」と合わせて全九章で初出する。この「彼等」「彼等夫婦」が誰かについて私にはやや心当たりがあるが、軽々には言えないのでやめておく。丁度、私の周囲にいる誰彼がそうであっても口が裂けても言えぬように。]
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