芥川龍之介「侏儒の言葉」(やぶちゃん合成完全版 附やぶちゃん注釈) 女人(二章)
女人
健全なる理性は命令してゐる。――「爾、女人を近づくる勿れ。」
しかし健全なる本能は全然反對に命令してゐる。――「爾、女人を避くる勿れ。」
又
女人は我我男子には正に人生そのものである。即ち諸惡の根源である。
[やぶちゃん注:私の偏愛する「侏儒の言葉」の二章であり、高校教師時代の抄録にはいつも引いたがしかし、それを朗読する折りには、しばしば女生徒に対してある種の気兼ねを感じてしまい、何もコメントせずに次に移ることを常としていた。これは私の救いがたい愚かな一面であったと今でも内心、忸怩たるものを感じている。
・「爾」「なんぢ(なんじ)」。]
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