詩 立原道造
詩
紙を裏返すと白かつた――
僕の頭のなかでは 幾行かの詩が
こせこせした積木細工であつた
とりどりに色がまはり 滑り
四角な旗がとほくまであるのだ
それが言葉かどうかわからないうちに
何か怒つたやうな聲がきこえた
幾行かの詩が 僕を捨てたらしい
紙を裏返すと 白かつた
[やぶちゃん注:すでに述べた底本の「エチユード」より。]
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詩
紙を裏返すと白かつた――
僕の頭のなかでは 幾行かの詩が
こせこせした積木細工であつた
とりどりに色がまはり 滑り
四角な旗がとほくまであるのだ
それが言葉かどうかわからないうちに
何か怒つたやうな聲がきこえた
幾行かの詩が 僕を捨てたらしい
紙を裏返すと 白かつた
[やぶちゃん注:すでに述べた底本の「エチユード」より。]