八月旅情の歌 立原道造
八月旅情の歌
山の頂の草むらに ささやかな食事
日傘のなかに 花をひらき
ああ 夏の日の行樂は 指させば
あかるい空のひとすぢのながれ
その白雲も 夢のやう
旅にあればその日のうつつ 心に映り
しづかに消える、落葉松の林の
ああ その色も 山の頂に澄みわたり
その果てにとほく山なみは透き
また故知らない 郷愁
[やぶちゃん注:ここまでが解説の言う、昭和一〇(一九三五)年から翌年にかけて雑誌に発表されたものである。]
« ヴアカンス 立原道造 | トップページ | メヌエツト 立原道造 »
八月旅情の歌
山の頂の草むらに ささやかな食事
日傘のなかに 花をひらき
ああ 夏の日の行樂は 指させば
あかるい空のひとすぢのながれ
その白雲も 夢のやう
旅にあればその日のうつつ 心に映り
しづかに消える、落葉松の林の
ああ その色も 山の頂に澄みわたり
その果てにとほく山なみは透き
また故知らない 郷愁
[やぶちゃん注:ここまでが解説の言う、昭和一〇(一九三五)年から翌年にかけて雑誌に発表されたものである。]