感動!!! 「奉教人の死」自筆原稿!!!
作業中の「奉教人の死」自筆原稿復元版のクライマックス!――
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見られい。「しめおん」〔。〕見られい。傘■張の
翁。御主「ぜす・きりしと」の御血潮よりも赤い、■〔□〕
火事の火光を一身に浴びて、声もなく橫はつ〔「えけれ〕
た、■〔しや」〕の門に橫はつた、いみじくも美しい少年
の胸には、燒焦げ破れた衣のひまから、ふく〔清〕
らかな二つの乳房が、玉のやうに露れて居る
ではないか。されば〔今は〕燒けただれた面輪(おもわ)にも、
自らなやさしさは、隱れようすべは〔も〕ござない〔あるまじい〕。おう、「ろおらん」は女ぢや。「ろおらん」は女ぢや。見られい。猛火を後にして、垣のやう
に佇んでゐる奉教人衆、ろおらん邪淫の戒を
破つたに由つて 「えけれしや」を逐はれた「ろお
らん」は 傘張の娘のやうな〔と同じ〕、あ 気髙く〔つつましく→眼なざしの〕あでや
かなこの国の女ぢや。
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ここは現行では前の文章からだらだら続いていて、
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見られい。「しめおん」。見られい。傘張の翁。御主「ぜす・きりしと」の御血潮よりも赤い、火の光を一身に浴びて、聲もなく「さんた・るちや」の門に横はつた、いみじくも美しい少年の胸には、焦げ破れた衣のひまから、淸らかな二つの乳房が、玉のやうに露れて居るではないか。
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ところが、芥川龍之介の自筆原稿ではここでちゃんと改行されており(現在は改行がない。ここは誰がどう考えても改行すべきところだろ!)、しかも――
「淸らかな二つの乳房」
は抹消改稿前は、
「ふくらかな二つの乳房」
と判読出来た!!! デジャ・ヴュだ!!! 涙が出た!!!