鏡の歌 立原道造
鏡の歌
はやい速さできれぎれの光に襲はれ
僕は風のやうにおし流される
ほんたうの近くに僕は僕にも捕へられず
僕は捕へられてゐる 光と一しよに
線をみだした闇の向うに
何もかもはてしなく終わりを知らず
選ぶことなく疲れは疲れを 花は花を
やがてしづかに一刻に支へられ
光の奥に光よりもかがやき
僕はすべてを見つめはじめる
[やぶちゃん注:すでに述べた底本の「エチユード」より。]
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鏡の歌
はやい速さできれぎれの光に襲はれ
僕は風のやうにおし流される
ほんたうの近くに僕は僕にも捕へられず
僕は捕へられてゐる 光と一しよに
線をみだした闇の向うに
何もかもはてしなく終わりを知らず
選ぶことなく疲れは疲れを 花は花を
やがてしづかに一刻に支へられ
光の奥に光よりもかがやき
僕はすべてを見つめはじめる
[やぶちゃん注:すでに述べた底本の「エチユード」より。]