序曲 立原道造
序曲
林檎(りんご)の木の詩人がゐた
旅で消える鐘の音を聞きそれをうたつた
頰をほてらせた少女がたのしい氣持できいてゐた
詩人はそれきり歸らなかつた
村の入口で少女は木に凭(もた)れ
夕雲に靑い山を眺めてゐた
いつも夜ふけて 眠りのきれぎはに
林檎の花が咲いてゐた――
[やぶちゃん注:すでに述べた底本の「エチユード」より。]
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序曲
林檎(りんご)の木の詩人がゐた
旅で消える鐘の音を聞きそれをうたつた
頰をほてらせた少女がたのしい氣持できいてゐた
詩人はそれきり歸らなかつた
村の入口で少女は木に凭(もた)れ
夕雲に靑い山を眺めてゐた
いつも夜ふけて 眠りのきれぎはに
林檎の花が咲いてゐた――
[やぶちゃん注:すでに述べた底本の「エチユード」より。]
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