芥川龍之介手帳 1―14
《1-14》
Lepraにか
○
Aestheticism
の公卿が lepra にかかるThema
[やぶちゃん注:この作品、ありそうで、ない。
「Lepra」「lepra」は「レプラ」で、ハンセン病のこと。
「Aestheticism」唯美主義。
「Thema」は「theme」(テーマ:主題)の語源のドイツ語の綴りであって誤記ではない。]
○殺人に interest ある役者がつとむる殺人場面――德川時代にして書け
[やぶちゃん注:江戸物の中にはないと思われる。]
○ヨコ 尾上町二ノ十九 輸入者 岡田七郎
○■■■■■麻町一ノ一 セールフレザア協會
[やぶちゃん注:「■」は判読不能字。底本では字数が書かれているが、これに置き換えた(向後、この注は略す)。「尾上」(おのへ(おのえ))であろう。「輸入」とあると、私には横浜市中区尾上町(関内附近)辺りが想起される。後者は底本にある『五字不明』注記をかく換えた。この「セールフレザア協會」というのは「セール・フレーザー商会」のことではなかろうか? 森重和雄氏の「幕末明治の写真師列伝 第三十四回 鈴木真一 その五」(PDF)『セール・フレーザー株式会社という英国系貿易会社』とあり、『この会社は、元は横浜でセール商会とフレーザー商会という二つの会社であったが、四十が入社後の明治』三〇(一八九七)年に『合併してセール・フレーザー株式会社(Sale and Fraser Co.)となった大手商社(本社は麹町区八重洲町一丁目一番地)であった。その主な取扱商品としては、蒸気及び電気機関車、蒸気及び鉄道用品各種とその材料、蒸気及び電気用諸機械、水力電気用諸機械、鉄道用客貨車及び電車、艦船用諸材料、兵器及びその諸材料、各種銅鉄材料、各種銅鉄管類、各種ガス発生機械類、肥料、英国炭、コークス、火セメントなどなどであったが、他に銀行業も行っていた』とある。一見、龍之介と関連はなさそうに見えるが、この辺り、海軍機関学校英語教師時代のメモである可能性が非常に高いことから、連関は認められる。瓜井目々太氏のブログ「ぴゅあ☆ぴゅあ1949」の「セール・フレーザー商会(1)」・「同(2)」を読むと、後に、かの限りなく胡散臭い白洲次郎が関係した会社でもあったことが判る。]