まわるまわるよ 時代はまわる
私は「フォーク・ソング」なるものが、ずっと胡散臭いものだと思ってきた。今もそれは変わらない。その最たるものが、「まわるまわるよ 時代はまわる 別れと出会いを繰り返し 今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」という歌詞を、私はついこの間まで、時計の針が「まわるまわるよ 四時代はまわる」のであって、「別れと出会いを繰り返し」た連中もアフター・ファイブになれば「生まれ変わって歩き出すよ」(新しい恋が出来る)という軽薄な意味じゃねか! 何だ! こんなの! と思っていた人間であったのである。しかも、それをまた、「誤り」として認める気が、今以って全然ない「人種」でもあるのである――