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2016/12/30

二   リルケ 茅野蕭々譯(詩集「冠せられた夢」の「愛する」詩群の第二章)

 

 二

           リルケ 茅野蕭々譯

 

それは白菊の日であつた。

私はその重々しい華美(はでやか)さが恐ろしい位だつた……

その時、あなたが私の魂をとりに來た。

夜ふけに。

 

私は恐ろしかつた。あなたはやさしく靜に來た――

丁度私は夢であなたを思つてゐた。

あなたは來た。童話の歌のやうに靜に

夜が鳴響いた……

 

[やぶちゃん注:本詩篇は前にも出した一八九六年刊のリルケの詩集「冠せられた夢」(茅野訳の標題。原題は“Traumgekrönt”)の「愛する」詩群二十二章の中の第二章である。]

 

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