(少女らは見てゐる、小舟らが) リルケ 茅野蕭々譯
(少女らは見てゐる、小舟らが)
リルケ 茅野蕭々譯
少女らは見てゐる、小舟らが
遠くから港に入るのを。
また臆病に寄添ひながら、
白い水の重くなるを眺めてゐる。
氣づかはしさのやうであるのは
夕暮のためしだから。
それにこんな歸港もないものだ。
疲れた大海から
舟は黑く大きく空虛(から)で來る。
船旗一つなびかない。
總てを何人かが
征服したやうに。
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(少女らは見てゐる、小舟らが)
リルケ 茅野蕭々譯
少女らは見てゐる、小舟らが
遠くから港に入るのを。
また臆病に寄添ひながら、
白い水の重くなるを眺めてゐる。
氣づかはしさのやうであるのは
夕暮のためしだから。
それにこんな歸港もないものだ。
疲れた大海から
舟は黑く大きく空虛(から)で來る。
船旗一つなびかない。
總てを何人かが
征服したやうに。