小穴隆一「鯨のお詣り」(90)「一游亭句集」(2)(四句)
○
小春日
蘇鐡(そてつ)の實(み)赤きがままも店(みせ)ざらし
歳暮の詞
からたちも枯れては馬の繫(つな)がるる
ゆく年やなほ身ひとつの墨すゞり
アパート住ひの正月二日
けふよりは凧(たこ)がかかれる木立(こだち)かな
大正九年――大正十四年
[やぶちゃん注:クレジットは底本では二字上げ下インデントでポイント落ち。
考えるに、この添えられた句数は四句、しかも「鄰の笛」と纏めて作句年代が最後にクレジットされてあるということは、この四句こそが小穴隆一が「鄰の笛」のために校正段階で芥川龍之介の句数五十句に合わせて削除した幻しの四句と断じてよかろう。妙な褒め方であるが、正しい削除である。]
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