小穴隆一「鯨のお詣り」(21) 「二つの繪」(10)「漱石の命日」
漱石の命日
「いままで度々(たびたび)死に遲れてゐたが、今度この十二月の九日夏目先生の命日には、いくらどんなに君がついてゐてもきつと俺は死んで終(しま)ふよ。」「その間(あひだ)一寸(ちよつと)君は帝國ホテルに泊つてゐないかねえ。」「いやかねえ。」
(ここに帝國ホテルを持ちだしてゐた事は、彼を眺める今日(こんにち)となつての自分に一寸興味を惹(ひ)く。)〔帝國ホテル・1參照〕
[やぶちゃん注:「二つの繪」の「漱石の命日」の原型。「帝國ホテル・1」はここから七章後に出る「帝國ホテル 1」の章を指す。]
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