小穴隆一「鯨のお詣り」(75)「一游亭雜記」(6)「廣告術」
廣告術
「今日は三越明日は帝劇」といふ言葉は、濱田氏が往年まだ三越の平社員である時代に、考へついた言葉である。しかし、株式會社がこれを使用するに至るまでには、これまた一年の考慮があつたといふ。濱田氏がその「今日は三越、明日は帝劇」で年金を貰つたか如何(どう)かは知らない。(江川正之から聞いた話。)
[やぶちゃん注:ウィキの「三越」によれば、この宣伝文句の使用は大正二(一九一三)年のことで、『東宝が日本初の西洋式の劇場として帝国劇場を開設。来場客に無料で配付した一枚刷りの「筋書き」(プログラム)に掲載された広告のキャッチ・フレーズ』に用いられたのが初回であったという。『「帝劇での観劇」と「三越でのお買い物」は当時の有閑富裕階級の女性を象徴する一般庶民の憧れだと鮮烈に印象付けた。コピーライターは浜田四郎(三越の広告担当)。ポスター用の婦人画は竹久夢二だった』とある。]
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