影のELEGIE 山村暮鳥
影のELEGIE
やはらかさよ、
ふめばくづれる沙(すな)の上、
もだす光の溺れぬる。
(美しき死をこそ、思へ)
沙の上の月見草、
ためいきを水の如く、
いろざめし眞晝(まひる)の
さりとて、心よき推移。
月見草かすかに、
よりそふは悲しき影
ただ、ふたつ、
其影のながれず。
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影のELEGIE
やはらかさよ、
ふめばくづれる沙(すな)の上、
もだす光の溺れぬる。
(美しき死をこそ、思へ)
沙の上の月見草、
ためいきを水の如く、
いろざめし眞晝(まひる)の
さりとて、心よき推移。
月見草かすかに、
よりそふは悲しき影
ただ、ふたつ、
其影のながれず。