LETE 山村暮鳥
かげ
LETE
はれた蒼穹(そら)より
ふる芳香(にほひ)、
それがぬらした
黃(きいろ)い南瓜(かぼちや)の花。
晝の、ねがひの、醜さの
おもひ出ばかり、
夢は曲線(カアブ)の陰影(かげ)を引く。
(戀のむだ花 ‥ )
夏のMOODの
雨こそ銀(ぎん)の槍の穗。
[やぶちゃん注:「LETE」はママ。こんな綴りの、例えば、フランス語は、ない。彌生書房版全詩集を確認すると、
L’ETE
とアポストロフを加えて訂されてあるのだが、実はこれでもフランス語の単語には、ない。アクサン・テギュを二ヶ所に添え、
L’ÉTÉ
で、これでやっと、フランス語の「夏」(男性名詞)の意となるのである。やれやれ。
「(戀のむだ花 ‥ )」のリーダ(及び丸括弧)は二本の初版を視認してそれを再現した。]

