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2017/03/23

人間に與へる詩   山村暮鳥

 

  人間に與へる詩

 

そこに太い根がある

これをわすれてゐるからいけないのだ

腕(うで)のやうな枝をひつ裂き

葉つぱをふきちらし

頑丈な樹幹(みき)をへし曲げるやうな大風の時ですら

まつ暗な地べたの下で

ぐつと踏張(ふんば)つてゐる根があると思へば何でもないのだ

それでいいのだ

そこに此の壯麗がある

樹木をみろ

大木(たいぼく)をみろ

このどつしりとしたところはどうだ

 

[やぶちゃん注:二行目「腕(うで)のやうな枝をひつ裂き」は彌生書房版全詩集も加工データとして使用した「青空文庫」版(底本・昭和四一(一九六六)年講談社刊「日本現代文學全集 54 千家元麿・山村暮鳥・佐藤惣之助・福士幸次郎・堀口大學集」)も孰れも「腕(うで)のやうな枝をひき裂き」と《訂されて》あるが、従えない。]

 

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