洋館の靑き窓第六篇 樹の幹により
樹の幹により
樹の幹により、
樹を搖れば風ほろほろと……。
あ、あ、一日の事もなく逝く。
見よ、はかない歡樂。
はかなくも瞳にとけて、難解の
悲哀の斷章。
夢の如く
樹の葉の如く
こゝろは、けれど三階の
窓にのぼりて海をおもう。
[やぶちゃん注:「洋館の靑き窓」六編の最終第六篇。
「搖れば」「ゆすれば」。]
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樹の幹により
樹の幹により、
樹を搖れば風ほろほろと……。
あ、あ、一日の事もなく逝く。
見よ、はかない歡樂。
はかなくも瞳にとけて、難解の
悲哀の斷章。
夢の如く
樹の葉の如く
こゝろは、けれど三階の
窓にのぼりて海をおもう。
[やぶちゃん注:「洋館の靑き窓」六編の最終第六篇。
「搖れば」「ゆすれば」。]