愛 山村暮鳥
愛
憂欝よ、その美しさに自(おのづか)ら惑ふ、
われは冬の鵯(ひよどり)、
過ぎし日の赤き木の實をもとめつ。
きみが髮毛のうれしさに
からみ匂ふ空の秘密よ、
雪ならばちらちらと
燃ゆる眼瞼(まぶた)の上にふり、
枯草の堆積(つか)を埋めて、われらを
再び、夢に泣かしむべけれ。
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愛
憂欝よ、その美しさに自(おのづか)ら惑ふ、
われは冬の鵯(ひよどり)、
過ぎし日の赤き木の實をもとめつ。
きみが髮毛のうれしさに
からみ匂ふ空の秘密よ、
雪ならばちらちらと
燃ゆる眼瞼(まぶた)の上にふり、
枯草の堆積(つか)を埋めて、われらを
再び、夢に泣かしむべけれ。